初めに
小学生の低学年(3年生まで)を対象にした記事です。
指導例とあるように、小学校の授業に依頼された経験をもとに、教育関係の方に書いた記事です。
2024年11月に記事を一部改訂させて頂きました。
絵手紙とはどんなもの?基本的な説明。
絵手紙とはどんなもの ?1.
1)絵手紙は、絵と言葉を書いた葉書(はがき)です。人に送ったり見せたりします。
2)絵手紙(えてがみ)には、正確な境界がありません。
「絵手紙」とはどんなものかは「絵手紙とは、ウイキペディア」をご覧ください。
3)絵手紙には絵が書かれているので「絵画」のようなものと思われている大人も多くおられます。似ていますが「手紙の一種」です。
(補足説明)絵手紙の理解の仕方が誤解される傾向にあります。絵のコンクールや展示会はあっても当然ですが、近年は多くのところで「絵手紙コンクール」が開かれています。ネット上も、絵の一種という捉え方がなされ、かなり普及しています。
絵手紙の理解の仕方によって、絵手紙を教える側にも違いがあります。
1.小学校の図画工作の中の絵の書き方 2.手紙として、言葉の使い方 3.交流や気持ちの表現として道徳の要素 などがあります。
絵手紙とはどんなもの? 2
ハガキに絵を書いて、そこに短いことばを書いたもの
子どもたちには、「絵と言葉をハガキに書いたもの」と言っています。
実際は子どもの書いた絵手紙を見せるのが一番効果的です。
子どもの絵手紙には、(1)自分のことを書いたものが多くあります。それは遊び、楽しかったこと、おどろいたこと、変わった経験などです。
(2)他の人を書いたもの。お父さんお母さんを書いたもの、友だちや親せきの人。(3)犬や猫などの生物、魚、ザリガニ、セミなどの昆虫。(4)花や野菜、果物、お菓子、食べ物 などの絵が多く見られます。
絵手紙とはどんなもの ?3
絵手紙の絵の特長は、少し大きく書くことです。全体をハガキに書かなくてもいい。少しはみ出し方が大きく迫力があります。絵を書く時は、線で形を書きます。太い線や細い線、かすれた線、でこぼこの線でもいいです。色塗りは、どんな塗る道具でも構いません。(色鉛筆、クレヨン、水彩絵の具)
絵手紙は、自分の気持ちや考えを書くもので、人と同じになりません。人の書き方と比べないようにしましょう。
どのように説明しますか?
人の顔や体の形が皆違っています。違っていても、鼻は真ん中にあるし、目は2つ、耳も2つです。皆さんの顔形が全部同じだったら、どう思いますか?
皆が別々で良かったと思うでしょう。絵手紙の場合も、みんな違っていい。皆が魅力があるんですよ。
絵手紙は、本来はハガキに書きます。しかし、。
本来はハガキに書きます。しかし、小さいと書きにくいので大きい紙に書きましょう。
小学校低学年は、ハガキではなく、A4サイズの画用紙で代用しよう。
(追加文)ハガキより少し大きいB6サイズ、またはA5サイズに画用紙を切った大きさでも構いません。
実際に小さいハガキに書くのは、難しいのでストレスを与えます。
大きな紙だと、ノビノビと書けます。
練習用は、出来れば書道の半紙を二つ折りにしたもの(半分)が書きやすい。
参考の記事。はがきの送り方、宛名の書き方を知っておこう。
宛名の書き方、郵送の仕方。超基本です。 左の記事を参考にして下さい。
絵手紙を郵送しないで、親や家族に見せたり、教室で展示したりするケースが増えています。
小学生の絵手紙の書き方・準備編
1)小学生の絵手紙を書く目的
相手を思いやる気持ちを絵と言葉で表現する。
自分のことを絵日記のように書く方法がある。
絵を書く発達過程に個人差があるので同じように書かなくても良い。
2)絵手紙の道具 筆について。
低学年は、毛筆よりも他の筆記具を使う。濃い鉛筆(2B~4B)か、または油性マーカーを使う。
太いボールペンや、水生マーカーペンなど筆記具は、書いた後も使える手持ちのものが望ましい。
習字用の筆や墨は使わない方が実際的です。(墨液が衣服に着くと汚れが落ちにくい)
日本絵手紙協会では墨液を基本としていますが、細かい線が書きにくいので書きたい絵の題材が限られてきます。
3)彩色する道具は学校の教材、水彩絵の具を使う。絵の具と筆、パレット。
色鉛筆やクレヨン、カラーの水性マーカーペンなど何でも構いません。
顔彩を使わない方が良い理由。高価であって、水彩絵の具よりも混色が作りにくい。
4)画材の準備。画材はその季節に手に入りやすいものが望ましい。
例として、トマト、リンゴ、イチゴなど。
書きたいものを持参させる方法でも良い。期待感、イメージしやすい。
絵日記風のものなど、自由な発想で、何を書いてもいいという多様性が重視されています。
5)ハガキとしてどんなものを使いますか?市販ハガキか、手作りハガキですか?
水採用画用紙をハガキの大きさにカットして使うと良い。 画仙ハガキは高学年向き。
書道に使う半紙は絵を書く練習にも使えるので余分に準備してほしい。
6)その他の用具の準備。
水入れ(筆洗い)は、紙コップが安上がり。絵の具セットの中に筆洗い道具があれば、それを使う。
水を追加するための入れ物。水を入れたペットボトル。
汚れた水をいれるバケツ。書道用の半紙。古い新聞紙、汚れたゴミ入れの袋。などの準備
7)書くための用具の準備。下記に説明。
書くための用具の準備と用具の置き方
順番どおりに机に置くとよい。
1)古い新聞紙 2)二つ折りにした半紙 3)はがき 4)濃い鉛筆 5)油性マーカー
6)彩色の筆(複数あると便利) 7)水彩絵の具 8)パレット(色を混ぜるときに使う)
9)折ったテッシュペーパー3~5枚。 色を確かめたり水分を落とすのに使います。
10)絵の題材、または手本のコピー。
11)水入れ、紙コップでもいい。
水を入れるのは、ほかの用具類をすべて置き終わってからにしましょう。
水をこぼす危険を防ぐためです。
用具の置き方例
低学年用の絵手紙の話の仕方
1)実際の時間の構成を決めておきましょう。
一例として。絵手紙の説明、書き方の説明、(10分)実際に書く、(25分)、皆で書いたものを見てみよう(10分)。先生のコメント(5分)となります。
2)絵手紙の書き方の説明。( 低学年向きに説明 )
1.絵手紙ってなあに? 絵と言葉の書かれた手紙です。ハガキに書きます。
郵便で送ったり、渡したりします。
(今回は、後で自宅でも簡単に書けるような書き方を紹介します。)
2.どんな道具を使うのかな?
道具の説明はとても大切です。
詳しい説明は他の記事を参考にして下さい。
1学年と2学年では水彩絵の具の代わりに「クレヨン」を使うと書き易いものです。
ハガキに筆、マーカー、サインペンなどで絵や言葉をかきます。
絵の具、色を塗る筆、パレット、水入れ、テッシュ、半紙。
3.だれに書こうかな?
家族(父さん、母さん、兄弟姉妹、おばあさん、おじいさん)
ともだち(同級生、先生、近所の人,しんせきの人など)
決まったら、私は~に書きますと、声を出してみましょう。
4.どんな事をかこうかな?考えてみましょう。(ヒント)
誰かにありがとうを伝えたい、親切にされてうれしかったこと。
誰かと一緒に何かを楽しんだこと。自分が驚いたこと。
遊んだこと、運動したこと、おどろいたこと、誰かに知らせたいこと。
5.絵はどのように書くの?
絵手紙は「ヘタでいい」(そっくりに書かなくてもいい)
絵手紙では絵を大きく書くことが大事です。
相手に自分の気持ちを伝えるには大きく書いたほうがいいからです。
ハガキからはみだすほど大きく書くと、相手によく伝わります。
よ~く見て、小さいところから書きましょう。
ここで、実際に大きく書いたものを見せる。(大きな画用紙に書いたのを見せる)
ハガキの大きさの絵のカラーコピー。
6.色はどのようにぬればいいのかな?
ぜんぶにぬらない方がいい。大体、ぬられていればいい。
ぬりたい色をさがして、パレットでたしかめ、テッシュでもたしかめよう。
うすい色からぬって、少しづつこい色をぬっていきましょう。
7.ことばはどのように、書くのかな?
絵手紙はじぶんの気持ちを書くもの。人のマネをするよりもいいんだよ。
まず、あいての喜ぶかおをかんがえる。じぶんのやってきたことをおもいだす。
なるべく、短いことばでかく。
8.書いたら、なまえのサインを書く。
ハンコのかわりに、赤い丸や赤い四角の、中に名前を書かせたほうがいい。
名前の1文字をひらがなで書く。
3)みんなで、どんなものが書けたのか、お友だちのものを見てみましょう。
とくに、良いと思ったところをさがして、見つけた人から発表してください。
先生からまとめのことば(参考)
きょうは、はじめての絵手紙でした。一人ひとりの顔がちがうように、絵手紙のかきかたも、できたものもちがいます。
じぶんのものも、お友だちのものも「良いところを見つけてほめましょう」。
じぶんのきもちを、絵とことばで表すのはむずかしいことです。しっかりと、あいての人につたわるとうれしいですね。
もう一つ、だいじなことがあります。書いたものをよせながら、どうぐやよごれた水をきちんと片付けることです。片付けることは、つぎの良い絵手紙を書くスタートにもなります。
「どうもありがとうございました」
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