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日本絵手紙協会の参考指針

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日本絵手紙協会 による書き方の7つの参考指針 とは

 絵手紙の書き方 絵手紙は基本的に自由です。

 ここで紹介する基本の書き方とは、日本絵手紙協会の公式サイトや協会の出版物から取り上げています。絵手紙の総合情報検索サイト「ETEGAMINET」を参照してください。そこで絵手紙の考え方」が7項目出ています。考え方として、述べられていますが(指針)とか(決まり)としている訳ではありません。

 その7項目は、残念ながら、絵手紙を始めようとする人にとって、必ずしも理解しやすいとはいえません。それでも大切な参考指針です。基本の書き方について、重要な参考項目であると言えるでしょう。 

 7つの考え方

その1)ヘタでいい、ヘタがいい。

 絵手紙の一番大切な考え方は「ヘタでいい、ヘタがいい」です。絵手紙は身近にあるものを見て自由に書き、その時の気持ちを言葉にする。それだけでいいのです。絵手紙の中に出てくる「ヘタ」には、」飾らず自分らしらを出すためには、上手に書こうという気持ちは捨てなければなりません。そこで、絵手紙では、この「ヘタ」という言葉を使っています。

(当サイト管理者の解説) 

まず、「ヘタ」とカタカナにしたのは、単なる下手ではないという説明がされています。精一杯、全力で書くという意味で「ヘタ」でいいという。この言葉に励まされて絵手紙を始めた人は多くいます。子供が書くお母さんやお父さんの絵を見て、感動する人は少なくありません。絵としては、足りない点があるとしても、それがのびのびと自己表現をしているなら、人の心に響くものがあります。その意味で、この言葉には深い意味があります。

 「ヘタがいい」というと、さらに自尊心が得られる言葉です。

むしろ、その方が良いというのです。多くの人、特に高齢の女性たちを引き付けることばです。絵手紙の普及のため大いに貢献した素晴らしいキャッチフレーズだと思います。しかし、絵手紙が評判になってから、既に40年以上も経過しています。今もその言葉の価値は大きいままでしょうか。そこで、次のような疑問がでてきます。 

 ヘタがいいと言っているのは、いわば絵手紙の子供の世代に合う言葉です。人生経験豊かな大人が、子供のマネをしているような気がします。本当にこれでいいのでしょうか】という人にどう答えたらいいでしょうか?まず、手紙であって、相手がいることです。受け取る相手の考え、受け取った思い、気持ちを無視していいわけはありません。だからと言って、相手の顔色を窺ったり媚びたりしたり、不評を恐れるべきではありません。 これを、最優先に考えるべきでしょうか?確かに自分の気持ちよりも最優先にすべきではないでしょうか?手紙として基本のことです。文や文字を間違っても良いとか、ヘタでいいというのは、書き手の側の見方を優先している言葉ではないでしょうか?

その2)良く見て、大きく書く

 絵手紙には、模範となるお手本がありません。自分が描こうとするものがお手本になります。描く前に、花や野菜をじっくり観察して見てから書きお始めます。じっくり観察して見ることで、今まで自分が気が付かなかったことを発見したりします。(花や野菜が自分に何かを語りかけてくれます) そして、ハガキからはみ出すぐらいに大きく書きます。そうすることで、自然と観察力や表現力が身につき、描いた絵手紙にもダイナミックさや迫力が出てきます。

その3)下書きはしない。

 絵手紙は下書きをしたり、一度練習してから描くということはしません。全てが、一発勝負です。手紙というものは自分の気持ちを相手に伝えるためにあるもので、下書きをして自分らしさを失ってしまったものよりも、一枚、一筆に集中して、たとえ墨がはねてしまったり、字を間違えてしまっても最後まで描き終えることが大切です。うまく見せようという信念は捨てたほうがいいでしょう。 

その4)筆と墨を使って書く。

絵手紙では筆と墨で描くことを勧めています。筆と墨で書いた線というのは、にじみ、かすれなど、様々な変化を起こし、一つとして同じものはありません。自分らしさをだすためにはもってこいの道具なのです。しかし、現代では、ボールペンやシャープペンなどの普及により、筆と墨はほとんど使われなくなってきています。「筆と墨」というすばらしい文化を、次の世代へと残していくためにも、筆と墨で描くことをお勧めします。

その5)線は、ゆっくり丁寧に。 

線が引ければ、絵も字も書けるというのが絵手紙の考え方です。線の練習こそが自分らしさを出す最も簡単な方法なのです。絵手紙では、初めての人に、筆の一番上を持って穂先1、2本で1分間に10センチの線を引く練習を勧めています。線をゆっくり引くということは、全神経を手の指先から筆の穂先へと集中させなければできないことで、うまくかこうという余計な考えは捨て、無になることができるのです。絵手紙を書く前に、線の練習をして心が無になったところで絵手紙を描き始めれば自分らしい絵手紙が描けるようになります。

その6)心を込めた言葉を書く

 絵に添える言葉は、短く、自分の心にかんじたままを、そのまま書くことが大切です。決して、うまい言葉を書く必要もなければ、拝啓や敬具などの手紙の面倒な形式にとらわれる必要もありません。相手のことを想って書くだけでいいのです。手紙に添える文字は、読みやすく、新聞の活字体をイメージして書くといいでしょう。

その7)書いたらポストに投函する。

 描いた絵手紙は必ず相手に出します。もう少しうまくなってから出そうとか、今回はうまくいかなかったから出せないということになると、手紙の意味がなくなってしまいます。失敗こそがその時の自分の気持ちが素直に表れているのです。そして、絵手紙を始めて間もない頃の絵手紙こそが後になって見ると一番自分らしさが出ていることが多いのです。描き終わったら、必ず切手を貼ってポストに投函する癖を付けましょう。

 この参考指針は、絵手紙が始まった当初からのもので変わっていません。いくらか、疑問点があるとすれば、郵便事情も一般の通信手段も変わったことです。絵手紙を書いても、交流相手が少ないか、殆どいない社会になってきています。そのため、相手を意識した絵手紙ではなく、絵日記のように生活していく上で気がついたことを題材にしています。事実、その方が楽しいようです。

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