子ども・小学生の絵手紙作品から学ぶ(その1)
これを見る大人の皆さんは、絵手紙作品を見て、自分だったらどのようにコメントするのか、考えながら見てください。
できれば、メモ用紙に自分のコメントを書いてみましょう。
その後に、もう一度、この記事の解説部分に注目しながら見てください。
1.の作品 コオロギ
この作品の良かった点
ことば、先生と語りかけている素直な表現。
かわいそうだから、次の日逃がした優しさというところ。
先生は逃がしなさいとは教えなかったようです。
思いやりは先生より上です。
絵の良かった点
コオロギを良く観察し、細かいところも、顔も良く書いている。
手足のギザギザまで細かく書いている。
良く見ると羽が動いている。周りを草の色に塗っているところもいいですね。
かなり、時間をかけて観察し、工夫してかいている努力の跡がみえます。
大人の皆さんは、ゴキブリをこのように書いて、逃がしてあげられるかな?
2.お父さんの絵
2)の解説 良かった点
最初の言葉、社長さんというところからほめたい。
単身赴任の父ちゃんを早く返してあげてくださいという素直な気持ちをハッキリ書いて
います。
父ちゃんや母ちゃんに対する思いやり、自分の思いを書いたところがいい。
あなたの切実な願いを、ズバリ書いていますか?
これを受け取った社長さん、きっと心を動かされたに違いありません。
絵の部分、父ちゃんの大きな体を横に書いたこと。
腕の一部や足先などは書かないで、大きく堂々とした父ちゃんをよく表現できていること。
感動的な絵手紙ですね。
3.地引網の体験
3)の解説
言葉。短い言葉ではっきりと伝わる言葉です。
男の子の元気、たくましさが言葉ににも表われています。
絵。構図がいい、体を斜めに倒し、力を入れている表現がいい。
力の入った顔の表現。日焼けしたからだの色の付け方もいい。
足が砂にめりこんでいる書き方もいい。
全体として大人やプロ並みのできばえですね。スゴイです。脱帽。
4.逆立ちする自分
4)の説明 良い所。
ことば。
6年生らしく、言葉の説明が丁寧ですね。
空がさかさまに見えたことを言葉にしたのがいいです。
絵。逆さま、倒立の構図がいいです。
真ん中に書くのではなく、少しズラして書いています。
腕と顔と上半身で表現するなんて、すばらしいですね。
絵手紙らしい表現方法で、大きさも迫力あります。
5.ロブスター
5)の説明 良い所
言葉。
最近、何かに感銘したり、驚いたこことがありますか?
子供たちにはそれがいっぱいありますね。
大人もそういうことを書きましょう。
お母さんが包丁でズバズバさばく切り方に驚きと感じたことを「凄みがある」と表現し
ています。
お母さんに逆らってはダメだと分かります。うれしくなる作品。
絵。
ロブスターの絵の表現は、絵の具を塗ったのではない変化があります。
よく観察すると、どうも版画のようです。
版画で体の部分を彫って、あとで目を書き加え、歯をかきいれたのかもしれません。
表現の方法も全部を書くと小さくなり迫力が下がります。
このように、上半身を書くことで迫力が出ています。
さらに、版画のお陰でガサガサした質感が出ていいですね。
6.大きくなった金魚
6)の説明。良い所
言葉。
大きくなった金魚のことで、ビックリ。
その驚きが言葉にでています。
その大きさを表すのに、自分の手を書いた発想は見事。
それが、自然にできるのが子供の良い点です。
どこまで大きくなるのかな?限界まで、、?。
その手の持ち主、こどももどこまでも大きくなるのだろうな。
今では大人になり、子育てしているだろうな。私たちも驚きの気持ちを書こう。
何も無い? 驚きの発見は絵手紙の楽しさの原点です。
探しに出かけよう。驚きに出会うよ。
見つけたことを書くと気分がいいよ。
絵の評価。
金魚の大きさが分かるように、手と腕を後ろに書いたのがいい。
特に、金魚のウロコをていねいに書いています。
ウロコには金色を塗ってあるようですね。細かい観察と
表現、金魚への愛を感じる。いいですね。
作品の1~6から学べること・まとめ
いかがでしたか?絵手紙の題材の見つけ方はどうですか?
思いやりの心がないと、見つけられないのかもしれません。
大人は、どうして、このような絵手紙の題材を見つけられないのでしょうか?
どうして、書けないのか自問してみましょう。
人の目、周りの目、評価が気になったり、上手に書こうなどという邪心があるからではないでしょうか。
大人は、もっと自分の心の目が汚れていることに気が付くべきです。
人の目を意識し過ぎたり、下手だと恥ずかしいなどと言う気持ちを捨てるところからスタートしましょう。
絵手紙を書くにも、見るにも自分の心の反映。
他の人の絵手紙を漠然と見ると何の役にも立ちません。
じっくり観察することは、自分の心と対話することです。
どうしてこの絵を書こうとしたのか。
自分だったらどう書くでしょうか?
まさに、観察者の心が語ります。
観察者は作者のどんな良い点を見いだせるでしょうか?
ここで、解説したような見方を身に着けてみていますか?
そうでないなら、心にひびく良い絵手紙は書けません。
絵手紙を書くにも、見るにも「自分の心の反映」だからです。
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